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1000分の1ミリにこだわるー前編ー

「もやしもん」というタイトルの漫画があるのですが、ご存じでしょうか??

主人公は、肉眼で菌が見えるという特殊能力を持っている大学生。

普通の人には見えないものが見える。そのことによって生まれる、様々な人間模様が描かれています。

私はアニメで見たのですが面白いです。

さて。

本題に参りましょう。

(何の話よ・・・)

施術で使う「鍼」

鍼の基本は「太さ」と「長さ」

病態や、鍼灸師の好みに応じてこの組み合わせが変わってきます。

鍼の長さの表記として「1寸」「1寸6分」「2寸」という表現になります。

鍼の太さの表記としては「1番」「2番」という表現になりります。

番手が増えるごとに太くなっていきます。

1寸の1番を使う人もいれば、1寸6分の1番を使う先生もいます。

太さが同じでも、長さが違うと、それは全く違った印象になるのです。

そして、同じ長さ・同じ太さなのに、それを作る鍼のメーカーは何社もあります。

つまり、

A社の1寸1番の鍼と、B社の1寸1番の鍼は、同じではないということなんです。

「太さと長さが同じなら、どこが作っても一緒じゃない?」

と思いがちですが、これがほんとに全然違うんです。

様々なメーカーが鍼を作っています。

私も、ほぼ全部のメーカーを試して、自分の技術に合う鍼を見つけました。

ここ数年は、そのメーカーを中心に据えて、他者の製品をサブで使うというスタイルです。

はじめて自分にそのメーカーの鍼を刺したときに、「あ、すごいパワーがある!」と感動した覚えがあります。

それ以来その鍼のファンになり、使い続けること数年。

しかし、その愛用製品に異変が起こります。

去年の後半あたりから、今まで感じたことのない感触が出てきました。

「鍼を刺したときの感触が明らかに違う」

「なんだこれ?患者さんの体が急に悪い方に変わってきたのか?」

「明らかに刺しにくくなってるぞ」

問診してみる。

「何か変なもの食べました?」

答えはノー。

「ストレスありました?」

ノー。

「最近変わったことありました?

ノー。

こういったやりとりが何回か続いた。

刺したときに感じる感触、帰ってくる反応、質感、そういったものがわからなくなってる。変な感触しか残らない・・・。

他社メーカーの鍼を使ってみる。

刺し味に変化はない。

う~ん。これは、患者さんの体が変化したことによる刺し味の変化じゃなくて、このメーカーの鍼事体が変わったことによる変化なのではないか??

そんな疑問が頭に浮かんできました。

しかし、使用したすべての鍼が変わったわけではなく「たまに」程度の現象でした。

なので、「気のせいかな」という印象もありました。

それが、年明けから、その頻度が「たまに」ではなく「頻繁に」になりました。

もうこれは限界。

刺したときに、思わず天を見上げてがっかりしてしまうことしばしば。

もはやこれは違うメーカーの鍼だ。

もちろん不良品ではない。

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↓↓以下、心の叫び↓↓

これは〇〇社の方の鍼と同じ感触じゃないか・・・

僕の欲しい感触じゃないんよ。

僕が君に求めているのは、、もっとこう、、涼やかでいてほしいんだよ。

「頑張ってる私を見て!」みたいな反応は欲しくないんだ・・。

誰に対しても、どんな人が相手でも、ただそこにスッといてくれて、その場に静寂が広がるような、それでいて強靭な撓りとしなやかさも併せ持つ、そんな君でいてほしいんだよ。

いったいどうしたんだ??

君は、変わってしまったのか??

何があったんだ?

いや、何があったかなんて知りたくもない。

以前の寸6の君に戻ってほしい。

僕が望むのはただこの1点のみだ。

他の寸6じゃだめなんだ。。頼むよ。

↑↑心の叫び、ここまで↑↑
ーーーーーーーーーーーー

ちょっと文章に気持ち悪さを兼ね備えてしまってスイマセン(~_~;)

でもね、私からしたら、「鍼」というのは「人間そのもの」なんですわ。

確実にそういう性質、性格をもっている。

だから、こういう表現も自然と浮かんできてしまう。

 

それはともかく。この変化。

いったいどういうことなんだろう…

気になって気になってしょうがない。

一度問い合わせしてみよう。

そこで今年になって問い合わせてみました。

「〇〇社様の方では、鍼の製造過程で何かを変えた点などはございますでしょうか?」と。

そして、何度かメールでやり取りさせていただき、調査をしていただけるということになりました。

そして最後のメールではもうクレームばりの失礼な要求をしてました。

それが以下↓

「大変お手数ですが、今回の調査結果をお知らせいただくことは可能でしょうか?

今後も今回と同じ品質のものが生産される予定でしたら、私としては変更せざるを得ないので。

どうぞよろしくお願いいたします。」

 

ちょっと感情に任せた幼稚な要求です。

決して不良品ではなかったし、変更するかしないかをわざわざ相手に知らせる必要はないんですよね。

自制できてませんでした。

まあでも、結構本気で変更を検討してました。

内心「うわぁ、これでまた色々見直していかないといけないなぁ・・・。本数、角度、深さ、リズム、治療時間、順序。全部変えないといけないかなぁ・・・」

って感じです。

で、待つこと数ヶ月。

メーカーさんから連絡が来ました。

メールを読んでみると、

「お会いしてお話をさせていただきたい」とのこと。

わざわざ私の治療院まで来てくださると。

「え?直接会ってやりとりするほどの、そんな失礼なクレームととらえられたのだろうか?」

と心配しましたが、メーカーさんと顔を合わせて話ができることなんてないし、私の方も一大事なので、お願いすることにしました。

で、実際にご訪問いただき、お話させていただきました。しかも代表の方直々に。

・・・

今日は疲れたので続きは次回。ではまた。

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