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死ぬに死ねない病気

「アトピーの辛さ」と言えば、皮膚が赤い、かゆい、浸出液が止まらない、眠れない、落屑、等々。

挙げだしたらキリがありません。

こういった生理的な反応に加え、メンタル面ではこういった感情もあると思います。それが

「見られたくない」

ということ。

冬はもちろん、どんなに暑い夏であろうと手首・指先まで隠れるような服を着て過ごす。

「あーわかる!」

このように思った方も多いと思います。

どれだけ自分の肌を他人に見られたくないか?、ということを以前話してくれた方がいました。

それが以下。

「電車に乗っても皮膚が落ちるのが嫌だからイスには座らないようにしてます。手首が荒れているので長袖を着て、吊革もなるべく使わないようにしてます。もうずっとこういうことをやってます。アトピーって死ぬ病気じゃないんだけど、いつまでも治らなくてつらいからいつも死にたくて、自殺でもしようかと思うんですけど、死んだら死んだでお葬式の時に皮膚を見られるかと思うと、それも死ぬほど嫌なので、うかつに死ぬに死ねないんです

この「死んだら死んだで葬式の時に皮膚をみられたくないから、死ぬに死ねない」という言葉、かなり強烈です。

ある時、話しの流れで他の患者さんに、「こういうことを言った方がいるんです」とお話したら、「そうそうそうそう、そうなんです!」と、おっしゃってました。

あまりにも気持ちがぴったりしていたようで、これはアトピーに悩む方にとっては、あるあるなんだなと思いました。

同時に私は心に誓いました。

「半袖を着て、つり革につかまって、席が空いたら座れるように。そして、安心して死んで、心置きなく皆さんに葬儀にご参列いただけるよう、精進あるのみ」

・・・

ブラックジョークが過ぎました。失礼。ではまた。