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浸出液とプツプツ皮膚が盛り上がるアトピーの正体は何?

アトピーのブツブツ・ポツポツについて

みなさんどうもこんにちは。浦和でアトピー治療をしています鍼灸一陽です。

https://atopy89.net/2018/03/23/atopy-stomach/

↑ ↑ ↑ 前回の記事で、「老廃物」という言葉が出てきました。

簡単に言うと、食べたものが便秘などでうまく排出されず、体内に老廃物となって溜まってしまい、それが悪さをしてアトピーを悪化させるんだという内容です。

で、今日はこの「老廃物」についてちょっと掘り下げていきましょう。

アトピーの方は皮膚がプツプツ・ボツボツと盛り上がっていますね。また、ボワンと全体的に腫れぼったい感じになっていたりします。

この、プツプツ・ボツボツの中身って何でしょうか?

ボワンと腫れているその中身って何でしょうか?

実はこの中身こそが「老廃物」なのです!

つまりこの「老廃物」はドロドロで水っぽいものなのです。この水っぽい老廃物を、現代医学的には「浸出液」なんて言ったりしますが、東洋医学では「湿邪(しつじゃ)」と理解しています。

これは単に言葉を言い換えたいからそう言っているのではありません。なぜ「湿邪」と言い「浸出液」と言わないかというと、見ている視点が全然違うからです。

どの部位から出るか
色はどうか
量の変化は先週と比べてどうか

これらを観察したり・ご本人によく確認することで体内の状況を察知できるのです。

湿邪が体内のどこにどのくらい溜滞しているのか?どれとツボの情報とを合わせることで、治療戦略を練ることができるのです。だから「浸出液」と言わずにあえて「湿邪」と呼び分けているのです。

「浸出液」とだけ理解してしまうと、そういったバックボーンを無視することになり、「あ~、汁出てますね」「ジュクジュクしちゃいましたかぁ」という気の抜けた質問しか出てきません(笑)

「浸出液が出た」「ジュクジュクが増えた」だけの理解だと、「悪化した」という情報で終わってしまいますよね。でもここに東洋医学の良さがあって、「じゃあどれくらい悪化したの?」とか「特にどの部分がよくないの?」を知ることができ、「だったらこういう対策をしよう」と次の手を打つことができます。浸出液の出方ひとつもおろそかにせずよく観察していることが東洋医学のストロングポイントでもあります。

あとは逆に「調子よいです!」とご本人が言っていても、「なんだかジュクジュクが増えているな」と私が感じたのなら、「あれ?なんか最近食べ過ぎていません?」「私が禁止した食べ物食べたりしていません?」「ラーメンとか食べちゃったりしちゃったりなんか、、、するわけ、、、無いですよね??」なんて言う嫌味ったらしい突込みが入ることもあります(笑)

でもここで「実は、昨日ラーメン食べたんです(*´з`)」

なんてやりとりに発展することも多々あります(笑)ご本人はそれだけで気づくのでそのやり取りこそがすでに抑止につながるのです。

私の役割は治療することもそうですが、こうやってアトピーを悪化しないようにナビゲートするという役割もあるのです。

やっぱり人間ですから、今まで習慣だったものを完全にやめるのは大変なことです。

「人は体に悪いものが好き」

私はそう考えています。だから私も体に悪いもの食べることあります(爆)

だけど、悪化するまでは食べない。悪化してから気づくのでは遅すぎます。職業柄、からだの感覚が敏感なので、ちょっと何か物を取ろうと腕を伸ばしただけで、からだが悪い時は、その違和感を察知することができます。そういうところから反省して、「あ、食事は気をつけよう」とか「あの体操が必要だ」とかすぐに対策をします。

だけど、こういうお仕事をしていない普通の人にはそれは難しい。だから私みたいな人間がそばにいて、ビシバシ痛い所をつつきながら、一緒に頑張っていく必要があるというわけです(笑)

ま、そういうことで「浸出液」と「湿邪」の違いはお分かりいただけましたね!

体内に老廃物が多いと浸出液が出やすい

このプツプツが多い・ジュクジュクと汁が多く出てしまうという事の原因は何かというと、つまり老廃物が多いという事になります。

ということは、体内に溜まっているものが多いということで、便などで排泄している量よりも食べている量が多いということになります。

言ってしまえば、「食べ過ぎでっせ」というサインです。

「うわぁジュクジュクしてきた」「この前よりもプツプツが大きい」なんて状態になったら、「薬塗ろう!」なんて馬鹿なことは考えないでくださいね(笑)

「現象に」ではなく「原因に」アプローチしましょう。

「うわぁ。ジュクジュクしてきた!ってことは食べ過ぎてる証拠だわ。あれ?そんな食べてたっけ?でもプツプツしてるってことは食べ過ぎだわ!少し食べる量減らさないと!」

と考えるようにしてくださいね。

アトピーの人は9割以上が食べ過ぎている

アトピーの方は「そんなに食べてるつもりがない」という方ばかりですが、はっきり申し上げましょう。

「あんたの「そんなにたくさん食べてないつもり」はただの「つもり」だわさ!たべすぎてるのよ!だからさっさと食べる量減らしなさいな!他の人と比べて食べる量が少なくたって、あなたの胃袋にとっては「もうたくさん」という状況なのよ!あなたの「考え」じゃなくて、「お肌の訴え」を優先して聞きとってあげてくださいね!」

そういう事です(笑)とにかく、ポツポツ・ブツブツの正体は老廃物の溜まり過ぎで、東洋医学的には「湿邪」というんだよという事だけ覚えといてください。

そして、湿邪が溜まってることの何が問題かという話に移ります。

これは、

湿邪が体内に長期間居座ると、次第に熱が発生するよということです。

湿気と熱っていうのは普通はあり得ない組み合わせなのですが、そういうものほど手を組んでしまうのです。専門的には「湿熱(しつねつ)」なんて言い方をします。湿熱というやっかいな状態に陥ってしまうのです。

これは本当に厄介なもので、つねに大便という形で、小便という形で、汗腺という形で、老廃物をゴミ捨てできればいいんですが、そこから出せないとなると、常に出口を探し回ります。どこかから出せないかな?と。

そんな時に、何かのきっかけで皮膚を引っ掻いたり、皮膚に傷が出来たり、何か刺激が入ってきて炎症が起こったりすると、「よっしゃ!出口があった!ここからどんどん出していきましょう!」となってしまうのが、プツプツ・ジュクジュクとアトピーが起きてくる仕組みなのです。

本当は平らなはずの皮膚がプツプツ、ポツポツと盛り上がったり、ひどい人は全体的に腫れてきたりします。この、腫れている中には何かが入っているわけです。

この、ブツブツ・ボツボツが多いほど、「異臭のする老廃物が多い」つまり、「湿熱が多い」となるのです。腫れていれば腫れているほど、湿熱の量が多いということなのです。

アミロイド苔癬、掌蹠膿疱症、脂漏性湿疹、にきび

因みにこれは、アミロイド苔癬、掌蹠膿疱症や脂漏性湿疹、にきびなんかも基本的には同じ構造だと考えています。にきびなんかは毛穴付近の問題なので、アトピーよりはマシではあります。ちょっと食べる量を減らしたり食べるもの自体を変更するだけでも違ってきます。

アトピーの急性期・炎症期を乗り越えたら、ニキビが出てきたなんて言う人もいますが、逆に言うと、こういう経過をたどるということは、良くなってきている証拠だったりもします。

更にいうと、これが皮膚の方に症状が出なくて、喉や鼻の方へ行けば、アレルギー性鼻炎とかぜんそくといった症状につながります。その人のどこで炎症が起きるかという、「現場」が違うだけで、構造は同じです。

これってとても面白いことだと思いませんか?鼻炎とアトピーと喘息という一見違う症状が実は全部同じだったなんて。東洋医学では症状だけをみずに、その症状の根っこはどこか?を考えます。だから、こういう見方ができるのです!すごいぜ東洋医学!

老廃物をいかに除去できるかが、アトピー改善のポイント

アトピー性皮膚炎は文字通り、皮膚に起きている炎症ですが、鼻炎やぜんそく、そして胃腸の状態も知っておかなくてはいけない、このように全身の状況を把握していく必要があるのです。

だから皮膚に薬だけ塗っていても治る人もいれば治らない人もいるし、食事療法だけでアトピーが完治する人もいれば完治しない人もいます。

体の中に老廃物がどのくらい溜まっているか?それがどこなのか?こういった視点がアトピーを治すには必要になってきます。

「私は〇〇でアトピーが良くなりました!」とアトピー克服者・経験者の体験談で紹介している例は多くありますが、その「〇〇」があなたに合うとは限らないのです。もしかすると、皆さんはそんなことの繰り返しかもしれませんね。

薬塗る→良くならない→〇〇をする→よくならない→〇〇を食べる→よくならない→〇〇→〇〇→〇〇→〇〇・・・

何かをしてアトピーをよくするよりも前に、「自分の老廃物はどれくらい溜まっているだろうか?」「昨日と違ってはどうだろうか?」「1か月前と比べてはどうだろうか」という観察をしっかりすること。そしてその症状と食事量・食事内容を検討してみること。こういった一見治すための直接的行為ではないものが、あとになって大きなヒントになってきます。

うちの患者さんでも慣れてくると、「甲殻類で悪化するみたいっす」とか「私はラーメンがてきめんです」なんて自分で自分のことがわかるようになってきます。

アトピーを通して自分を知る

こうやってアトピーを通じて自分を知り、行動を調整できるようになると、それはものすごい財産だという事に気づけます。自分を知るってこういう事です。知ることができ、それを受け入れ、そのように行動できると、それは自分の人生を大切に生きるという事に繋がります。

あなたに起こっているアトピーは悪いもの・悪いことばかりではありません。つらいかもしれませんが、それを克服する過程で、決して多くなくとも、確かな1つのことがわかるようになります。

振り返ってみて「アトピーはもう二度と御免だ」というマイナスの言葉で終わるのか、「もちろん二度とは御免だが、あそこで得たものがあるからこそ今がある。あの時に試行錯誤した自分が今の自分の支えになっている」とポジティブに過去を消化するのか。

一陽ではただアトピーを治すだけでなく、来た方の進む未来が、そういうポジティブな方向へ向かうようになることを祈りながらお手伝いをしています。私自身はアトピーではありませんが、来た方のお役に立てないときはやはり、自分の存在の無力さに打ちひしがれ落ち込むものです。何と役に立たない人間なのかと。でもそれでも頼りにしてくれる方がいる限り、あきらめず一歩ずつ進んできました。自分もまたアトピーを通して自分を知ることの機会を頂いています。アトピーに、逃げずに一緒に向き合うことで、お互いに成長できればこれが最良の形かもしれませんね。

長くなりました。最後までお読みいただきありがとうございます。

編集後記
去年の8月にアデニウムという塊根植物を買いました。ただいま翌年3月末。買った翌日に水をあげたら生い茂っていた葉っぱが半分落ちました。2週間後にまた水を上げたらすべて落葉。私は落胆。それから1回も水を上げずに過ごして、なんと、桜満開のこの時期に新芽がボンボン出始めてきました。うるおいがあってツヤツヤで、生命力にあふれていました。とっても嬉しくて、私は感嘆しました。・・・。ただ。だれか、誰か教えてくれ。。今度はお水をいつあげればいいんだ!!こんな簡単なことがわからないなんて。。。