症例報告です。
小学生の女の子が肘のアトピーで通院していましたが、痒みも全くない状態になったので、卒業となりました。
患者
小学5年生女子
主訴
肘・膝が中心で、他に首・顎・腰のアトピー
状況
2,3歳頃からアトピーがあり、調子の波はあるものの、年間を通して調子が良いという事はない。授業中と夜中に特にかゆみがひどく、朝起きると傷が出来ている。体育で汗をかいたときもかゆみが悪化する。今までずっと漢方薬を飲んでいたが、効果を感じることはなかった。
経過
百会、天柱、風池、肝兪、胃兪、章門、曲池、尺沢、環跳等のツボをチェックしながら毎回2,3穴を選んで施術。痒みまったくなく、皮脂も自力で出せるようになり、ツルツルしてきた頃を見計らって、無事卒業。施術期間は週1回×11か月(途中1か月と、最後の1か月は2週間に1回) 6、7か月目あたりに、調子がだいぶ良くなり通院間隔をあけたが、花粉症の時期と重なり症状が少しぶり返し始めたため、再び一週間に1回の治療に戻し、今度はしっかり安定するまで通院してもらい、無事に卒業となった。
まとめ
この子のアトピーの原因はまず第一に食事が乱れていたこと。
チョコ、クッキー、ポテトチップ、菓子パン、あんこ、卵、牛乳等の、アトピーには良くないとされているものをよく食べていたため、これらを中止するようアドバイス。
もう一つの原因は、呼吸に伴う腹部の動きが乱れていたこと。
「乱れていた」というよりは、完全に逆になっていた。
何が?
「呼吸に伴う腹部の動き」が。
息を吐くと腹が膨らみ、胸骨の上り具合も強かった。「このチグハグは、いま治しておかないと、将来もっとこじれる恐れがある」と直感する。
私の診立てでは、この呼吸のエラーが一番の問題点と感じた。
毎回、呼吸に伴うお腹の正しい動かし方を覚えてもらい、また、自宅でできる呼吸法のプログラムを実践してもらい、それを毎週チェックすることの繰り返しでここまで回復できた。
よく「子供のアトピーは治りが早い」と言われるが、小学生にもなってしまうと「そんなことないぞ」という印象。一見皮膚症状がひどく見えなくても、長くかかるものは長くかかる。
でも、長くかかったとしても、アトピーは治る。それはこの子が証明してくれた。とても素直で真面目で頭がよい子だった。伝えた注意は必ず守るし、教えた体操もきっちり覚える。「大人もこれくらい素直ならいいのに」と思ったのは、ここだけの秘密である。。。
参考 なぜお腹の動きを重要視するのか?
アトピーを改善するうえでポイントになる内臓は、肝臓・腎臓・胃腸です。全部大事なのは当たり前なんですが、解毒・排泄をきっちり行うためには、これらの内臓が元気である必要があり、余計な負担をかけてはいけません。
理想のおなかの状態は柔らかく・温かく・呼吸に伴う腹部の動きが正常であること、です。
もちろん食べ物も気を付ける必要がありますが、それだけではよくならない子もいます。
その場合にお腹の動きが大事になってきます。呼吸に伴って動く、自然な腹部の動きが必要になってくるのです。
一呼吸ごとにお腹の動きがエラーを起こしているということはつまり、24時間ずっとエラーが起こっているという状態なのです。
お腹の動きは横隔膜を介して直接、内臓にまで影響が及びます。
呼吸のエラーを無くすという事は、お腹の動きを良くし、結果的に内臓の働きを邪魔しなくなります。
そうすると解毒排泄もスムーズになり、胃腸も活発に動いてくれるようになります。
食事を改善したのに全然アトピーが良くならないのはなぜ?と疑問に思っている方はこの辺がポイントになってきますので、参考にしてください。「お腹」と「呼吸」です。ある意味食事よりも大事なことかもしれません。