「ダイソンの掃除機を買おうと思ったのですが、結局違うやつにしました」
コードレス掃除機を買おうと色々調べたところ、ダイソンのものが一番性能が高いとわかり、お店に行って実際に持ってみたら、「この掃除機だと、体調悪い時には振り回されて使えないかもな」と思って、違うメーカーの掃除機を買ったとのこと。
しかも、性能的には、一世代前のタイプでしかも、スペックも最高レベルの物ではないものを購入したそうです。
私はそれを聞いて「あー、良かったな」と思いました。
すごく良い話が聞けて感動しました。
なぜかというと、この方は普段から「やろう」と思ったらとことんやり切るタイプの方だったのです。
一度「やる気スイッチ」を入れたら、そのスイッチが切れることはない。
「やる」とスイッチを入れたら、視野がグンと狭くなり、ゴールしか見えなくなってしまうタイプ。
その過程で体が少々しんどくても、その体の声を無視して最後までやり切ってしまう。
目的を達したのは良いが、結局体調を崩してアトピーをどんどん悪化させてしまう。
体に良いはずの体操も、どんどんやろうとして、結果やりすぎになり、体調を壊してしまう。
そういう方だったのです。
そんな人が、自分の体のキャパを理解したうえで、性能を落としてまで、大きさや重さが小さいものを選んだ。選ぶことができた。
それを納得して買ったというのがすごいなと思ったのです。
以前はこんな選択はできなかったはずなので。
ダイソンの掃除機は、日本人女性にはやや大きく、重いと感じる方も多いように思います。
この方も小柄で華奢なほうなので、体には合っていないのです。
でも性能が良いので「いかにきれいに完ぺきにごみを取るか?」を優先したら、これを選んでいたかもしれません。
今までの彼女ならそれを選んでいたと思います。
しかし彼女はそれをしなかった。
「自分の『やる気スイッチ』がこんなところにまで及んでいたんだなと知って笑っちゃいました」
とおっしゃっていました。
また「性能もほどほどで、ごみもそこまで完璧に取れなくても、それが自分のキャパなんだなと思えるようになりました」
とこれまた笑っておっしゃっていました。
「からだ」を基準に考えると「こうしたい」という頭で描いた思いや理想よりも「頭ではこうしたいと思ってたけど、実際に本物を手にしてみると、からだはノーと言っているな、そっかぁ、じゃあこれを選ぶという選択はないんだなぁ」と悟ってしまう感じになるんですよね。
ここの気づきに従えるかどうか?
この方はそれに従えた。
大きな進歩だと思います。
掃除機一つ買うだけで、その人の進化・成長度合いがわかるっていうのも、これまた面白い話だなと思いました。