「体が、薬じゃなくて鍼を欲しているのがわかります」
本日2回目にお越しの患者さんが放った一言です。
いやぁ、すごい一言ですねぇ
「名言飛び出した!」という感じでした(笑)
前回の治療後から色々と体の感覚が蘇ってきたみたいで、これまでの一週間を振り返っての体の感覚変化などをお話しくださいました。
鍼をすることで、体に意識が向けられる。
これがとても大事なことです。
「治療する」「体をよくする」
こういったことももちろん大事なのですが、アトピーになるような方は、体に負担がかかっているのに、それを全く感じ取れずに過ごしている方が多いです。
そんな体の状態で何年もいると、それがやがて解決しにくい皮膚炎となってやってきます。
だから、かゆみがなくなる、とか、眠れるようになる、というのも大事なのですが、
同時に、「今自分の体がどういう感じなのか?」ということに目を向けられるようになるということがとても大切になります。
体の、ちょっとした違和感、ひどくはないけど、モヤっとした、何か嫌な感じ・・・
この程度の微妙な状態を敏感に察知できるようになることも、ウチに通うメリットだと思っています。
アトピーを治すにはどんな食事がいいのか?どんな運動がいいのか?どんな服?どんな洗剤を選べばいい?
こういったことを知ることも大事なのですが、でもこういうのは調べればいくらでも出てきます。
ですが肝心の「あなた自身の体はどうなっているの?」という、自分の体の見方についてはどこを調べても出てこない。答えはあなたの体の中です。
こういうことは、現代医学の欠けている視点ですし、そこを補えるのが東洋医学だと思っています。
鍼をすることで体を良くする、アトピーを良くする、ということと同時に、「自分の体の感覚」も一緒に養っていただけるといいなと思います。
そこを体感として理解することで、症状が大きく悪化する前に気付くことができます。
そうすると、毎回鍼灸に通わなくてはいけない、ということはなくなります。
うちに来ている方で、調子の良くなった方は、卒業する人もいるし、希望される方には3,4週間に1回とか、2か月に1回とか、そういうペースで体を診させてもらう人もいます。
これは、「治療」というより「今、体がどうなっているのか?」の答え合わせに近い感じです。
そうやって一年を通して大過なく過ごしていただける、というのも、当院の利用の仕方としてはアリかなと思います。
なにはともあれまずは、「あなた自身が自分の体をどう感じるか?」が大事です。
ぜひ、体に対する意識を向けてみてください。
「あ、自分の体って、こういう時にこういうところが緊張するんだ!」なんてことがわかるようになります。
「自分を知る」という言葉がありますが、これはまさにそういうことだと思います。
自分を知っていく楽しみを、あなたもぜひ見つけてみてはいかがでしょうか?