患者
20代男性
初診
2018年9月下旬
主訴
「アトピーがつらい、夜眠れない」
問診
高校生のころから症状が出始め、特に夜中に掻いていた。
症状は社会人になってから特にひどくなる。
仕事中は平気だが、仕事が終わって帰宅したとたんにかゆみが出てくる。
毎日掻きながら眠る。
かゆくなければすぐ眠れるが、かゆい時は1~3時間眠れない。
思い当たる原因は、半年前に夜勤の仕事に就いたこと。
今の仕事になってから、ひどい状態が固定してしまった。
それと、ずっと禁煙していたが、今年から喫煙し始めたことも要因として考えられる。
このままではまずいと思い、本気でアトピーを治そうと思い始めたことで、受診を決意。
状況
かゆみのある部位
頭、おでこ、耳、あご、首の前・後ろ、胸の前、わきの下、上腕、前腕、手の指、肘、手首、背中全体、肩甲骨、腰、上腹部、下腹部、脇腹、おしり、肛門、陰部、太もも内側・外側・前面・後面、膝、くるぶし、足の甲、すね、ふくらはぎ
睡眠
かゆみで二回以上目が覚める
一日のかゆみの持続時間
1~6時間
仕事への影響
仕事を休むことがある
休日の行動への影響
出かけるのもしんどいし、出先でもしんどい
ステロイドの使用状況
毎日ほぼ全身に対して使用している
治療
週1回ペースで治療開始。10月いっぱいは、かゆみきつく眠れない日々が続くが、10月末から、体内に熱のこもったような独特のにおいが消え始め、11月に入ったとたんにかゆみがだいぶ落ち着き、「すごく楽」との声が聞かるようになる。
まとめ
ご本人がかなり気合を入れて食事療法、ストレッチを実践してくれた方だった。このままでは今の仕事を辞めなければならなくなるという不安が、そのような行動を起こさせたと推測される。
本当は、傷がなく、ツルツルの状態、つまり完治してから卒業してほしかったが、男性の場合は、多少傷跡が残っていたとしてもかゆみがなくなればオッケーという人が多い。このかたは、「傷跡はあるがかゆみが全くない」という状態で2、3回ほど来院されて、そこで来院されなくなった。いつも夜勤の仕事の後、直接来院されていたので、スケジュール的にはかなり詰め込んで来ていただいていた。
とにかく急性期だけでもしのぎたい、という方は2,3か月前後で落ち着く方が多いので、こういう例も参考にしていただければと思う。