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人の体で春を知る

アナタはどんな時に「春だなぁ」って感じますか?

桜が咲いたときですか?

花粉症が強くなった時ですか?

 

鍼を刺して、その鍼を患者さんのからだから抜いたときに、若干の出血がみられることがあります。

鍼を抜いた後、自然と血が少量抜けるのは、結構治療効果も高くなりやすいので、捉え方としてはポジティブな現象です。

言ってみれば、「自然の刺絡(しらく)」って感じですかね。

「刺絡って何よ?」ってなると、話がそれちゃうので、一言でいうと、東洋医学の治療法の一つってことです。

毎回、どの人にもその現象が起きるかというと、そうではないのですが、それが、ある時から急に増えてくるという時期があります。

それが今年は2月の17日を過ぎたあたりでした。

「いつもは鍼を抜いた後、出血しない人が今日は出血が見られる」という現象が高確率で起きます。

2月の4日が立春で大体10日くらいからポツポツと出血する患者さんが出だしてきて、それが17日になると一気に爆発という感じです。

もうこの時期になると、暦の上では立春というより「雨水(うすい)」といって、「雨水がぬるみ、草木が芽吹き始める」という時期。

人間の中に眠っている気血も芽吹き始めるのです。

奥に潜んでいたものが表面にまでめぐりだすような感じです。

毎年この時期になると「春だなぁ」と、一人静かに春という季節をかみしめる私であります。

人の出血で春を感じるなんて、ちょっと変態チックですが(笑)、花が開くことよりも、花粉が飛散するよりも、こういう現象に出会ったときの方が、春を感じ、自然を感じ、そして「この仕事をしていてよかったな」と思えるのです。

これが私なりの幸せの感じ方なのです。

・・・

あやしいでしょ(笑)