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アトピーの治りにくさと体型の関係

「先生、450を切ってました!」

この一言は、うちに通っている40代のある女性の言葉です。

さて、いったい450という数値は、なんなのでしょうか。

・・・

この患者さんは脱ステと同時にうちに来て、それはそれはすさまじいリバウンド症状が勃発し、全身真っ赤。浸出液はドロドロ。施術中にあおむけで寝ていたら耳から黄色い浸出液がポタポタ垂れるほどの状態。

下半身はパンパンにむくみ、くるぶしがどこだかわからないほどになっていました。

真夏なのに風が吹くだけで寒く感じるので、真夏なのに毛布を掛けて、真夏なのに赤外線を強めの温度で照射しながら施術をしてたほどです。

ここまで来ると、仕事に行ける状況ではなく、休職をするという選択をしました。

この状態のときの、TARC(タルク、ターク)という炎症を指し示す数値は、3万を超えていました。それ以上は計測不可能だったので、正確な数値はわからずじまいです。

その3万を超える数値が、つい先日、やっとのことで450を切りました。それが、冒頭の一文というわけです。

成人の標準値が450なので、だいぶ炎症は引いてきたという意味なのです。

ここまで来るのにおよそ1年かかりました。

1年。これを長いと捉えるか、短いと捉えるかは意見が分かれるところですが、30年以上にわたり、ほぼ毎日ステロイドと保湿剤を塗りたくってきた彼女にとっては「だいぶ早い」という印象だったようです。

同時期に脱ステをした、同年代のTwitter仲間のつぶやきを見ていると、「まだそんなひどい状態なんだ」と思ってしまったことも、いいペースで改善していると感じている要因の一つのようです。

わたしにとっては「結構長くかかった」という感覚です。

アトピーの改善度というのは人によってその改善ペースが全く違います。

思ったより早く改善する人もいれば、予想通りに回復する人もいるし、ゆっくりと改善していく人もいます。

この、改善ペースの違いというのはどこから来るのでしょうか?

あなたはどう思いますか?

やはり、症状のひどさが一つの基準になるでしょうか?

確かに、傷がひどかったり、ただれて浸出液がひどかったり、部分的でなく、全身に広がってたりすると、長くかかるかもしれません。

しかし、一見症状が激しくても、アトピー歴〇十年選手であっても、施術初期から順調に効果が出て、3か月もすると、「かゆみは全くない」という状態になるのはそんなに珍しいことではありません。

逆に、見た目がほとんど赤味や傷がなくても、なかなか「良くなった」と実感しにくい人がいます。また、そういう人は、皮膚科に行っても、「重症ではない」「たいしたことない」と一蹴されて不満な思いを抱いている方も多いです。だってそういわれ続けて、何年もたっているのですから。

なので、見た目の赤味や傷のひどさだけでは、予後の判定は行えません。見た目の状態以外に何か、回復しにくい人には回復しにくいなりの共通点があるはずです。

わたしは鍼灸治療をするうえで、ある程度頭の中で治療経過を予想します。それは今までの経験で、「だいたいこれくらい」という基準が出来上がっています。

そのうちのあるパターンの体型の人に関しては、「あ、この人は、遅いな」と回復スピードを予想することがあります。

それはどこを見ているか?

答えは、「体型」です。

人の体型っておおざっぱに見ると、筋肉質かぽっちゃり型か?に分けられます。

・・・

あ、いや、ちょっと違うな(笑)

言い方を変えます。

「治るスピードが遅い人ってぽっちゃり型の人が多いなぁ」

これが一番近い感想です。

 

上の画像でいうところのBさんが、Aさんよりは治りが遅いということです。

画像は多少極端ですが、「太っている」というより「ずん胴」といった方がイメージが近いです。

もっというと、「腹回りだけ太りやすい」「むくみやすい」こういう人も、見た目にぽっちゃりに見えていなくても、スリムに見えても、Bタイプに当てはまります。

パッと見はAさんタイプの体型なのに、実際にお腹周りの状態を触って確認すると、「思った以上にBさん寄りだな」という印象を受ける方はすべてこっちのタイプと認識しています。

Bさんタイプの人に多い特徴としては、
・ポッチャリ型
・色白
・柔らかい印象がある
・内心どうあれ「落ち着いている」と言われることがある
・腹回りが水っぽい
・せんべいが好き
・足首がむくみやすい
・膝裏が腫れやすい
・シップを貼ると、かぶれやすい
・お酒を飲むと顔が真っ赤になる
・生理前にむくむ、かゆみが増える

などです。

ちなみに、せんべいが好きで足がむくみやすく、膝裏も腫れやすくて、外反母趾がある人は、将来高齢になったときに変形性膝関節症に悩まされ、階段の上り下りに苦労する可能性が高いですので、気を付けてください(笑)

もっと言うと、こういう人に「短気」が加わると、治るのが遅いので「いつまでたっても治らない」なんてことになるので、余計にストレスがかかり、治りスピードがより遅くなります。

うちに来ているアトピーで治りにくい方というのも、「ポッチャリタイプ、しかもむくみは腰回りだけじゃなく、首回りもむくんでいる、40代以降のせんべい好きな短気な人」ということになります。

言い換えると、「若くない体で水はけが悪く、短気な人」ということです。

・・・辛辣ですねぇ・・・

しかし、事実なのでしょうがない。アラフィフ以降の人には知っておいてほしいことです。

当院での治療成績も、若ければ若いほど早く良くなるし、水はけがよい体の人の方が早く良くなります。代謝が良ければよいほど早く良くなるし、体液循環が良い人ほど早く良くなるというわけです。

まあでも、一番問題なのは、若くないことでもなく、水はけが悪いことでもなく、「短気」なことなんですが(^^♪

実は、冒頭で「450を切りました!」という女性は、ポッチャリ型のアラフィフで、代謝能力が低く、水はけの悪い体ではあったのですが、短期ではなかったのです。妙に落ち着きがあるというか、「まあ、しょうがないでしょ」という感性の持ち主だったのです。

リバウンドで顔がパンパンに腫れているときも「先生~、ゾンビになっちゃいましたよぉ、まあ焦らず通うんでよろしくお願いしまーす」なんて、言うことができるくらいの陽気さ、気長さを持ち合わせていました。

内心どう思っていたとしても、自分が一番苦しい時に、周りに対してそれくらいの気を使える余裕があるという時点で、それはかなりポジティブな要素でした。

もしこれを読んでいるあなたが「私、ポッチャリタイプかも」なんて思ったのであれば、大事なことは、「焦らないこと」と言えます。

他の人の3倍の時間がかかることを受け入れたうえで、治療に臨むのが、焦らず気が楽に乗り越えられる秘訣かと思います。

-編集後記ー

ポッチャリタイプの人の治療には「膝」の状態をよくする必要があります。しかし、ブログを2ヶ月以上さぼっていると、そういうのを記事にまとめる能力が著しく低下してしまうことに気が付きました(-_-;) ブログ筋力ってあるんですねぇ。ええ、書きますとも。もっと頻度を上げて皆様のお役に立つような記事を、書きますとも。ただし私、ブログポッチャリタイプなので、焦らないで待っててくださいねm(__)m