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気の狂うような痒み

「気の狂うようなかゆみがなくなって大分良い状態なので、今日で最後にしようと思います」

また一人、かゆみから解放された方が卒業されました。

「気の狂うような」

この言葉の通り、かなり重々しい空気で治療を開始したのを覚えています。

「半年間どうもありがとうございました」と、最後は笑顔で軽やかにお帰りになられました。

「いかにアトピーと上手に付き合っていくか」と、半ば完治を諦めたような文言が飛び交うアトピー界隈ですが、一陽では「いかにアトピーと手を切るか?」を追求し続けます。

薬で落ち着くならそれでいいじゃない?というのはもちろんなのですが、

ここ1年間で「デュピクセントを数年使用していたが、だんだんと効果がなくなってきて、今はほとんど効かなくなっている」という方が増えました。長い方は治験の段階から6年間使用して、現在うちにいらした方もいます。

新しい薬がこれからも出続けると思いますし、それによって救われる方も増えると思いますが、一定数の方が、上記のような経過をたどることになります。

大事なのは、薬や面倒な保湿が要らなくなる状態にすること。

上手に付き合っていくべき相手は「アトピー」という症状ではなく、「自分の体、心、考え方、捉え方、認識の仕方」そういった部分かなと思います。

こういった部分は文章化しにくいですが、必要な方にはタイミングを見てお伝えしています。

一陽に来る価値の一つは、こういうところにあると思っています。

なにはともあれ、気の狂うようなかゆみが落ち着いて良かったです。

ではまた。