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脱ステで起きる症状の経過・変遷

これを書いている現在2024年5月。今年の5月は去年の5月より症状がひどい方が多いです。

大体毎年3,4月がピークの方が多いのですが、5月後半になっても浸出液が止まらない方が例年より多いです。

脱ステをした方も苦しんでいる状況からうちへ来られる方もいらっしゃいます。

 

脱ステをすると、大体同じような経過をたどります。

もしかして、これを読んでるあなたもその一人かもしれません。

脱ステをしたのが10年以上前という方や、数回しかステロイドを塗っていないのに急に悪化してきた、という方も以下のような経過をたどる方は珍しくありません。

 

どんどん変化し、広がり、悪化してくるこの症状は、いったい良い方へ行っているのか?悪い方へ行っているのか?このままでいいのだろうか?何か対策したほうがいいのか?

いろんな不安が頭を駆け巡るかと思います。

そんな方の参考になればと思います。

 

1、まずやけどのような腫れあがった皮膚になる。パンパンにむくんだ感じになる。

2、腫れが強くなって、浸出液が出てくる。

3、全身の痛み。「かゆみを通り越してもはや痛い」という人も。

4、皮膚の強い乾燥と大量の落屑。鱗みたいなものがボロボロと落ちます。「人間の皮膚ってこんなにはがれるんだ・・・。こんなにはがれたら皮膚がなくなってしまうんじゃないか?」と言う方もいます。ゴミ取りのコロコロをかけると、何枚も紙テープをはがさなきゃいけなくて、掃除が大変。

大まかにはこんな感じの流れです。これを繰り返す場合もあります。

同時に、強い疲労感、寒気、動けない、食べられない、うつっぽくなる、といった症状も出てきます。

 

「ステロイドを辞める!」と強い決意で臨んだはずなのに、

「思ったよりも症状が辛い」

「こんなに辛いなんて知らなかった。予想以上にきつい。。」

「痒いのはまだましだけど、眠れないのがつらい」

「朝起きてボロボロと剥がれ落ちている自分の皮膚を見ると、そこでガクッと落ち込む」

「こんなのがあとどれくらい続くんだろう・・・」

「先週の辛さがピークだと思ったのに、今週はもっと辛い。。もしかして、まだピークは過ぎてないの??」

「こんなんだったらやっぱりステロイド使ってしまおうか?」

「でも一度でもステロイドを使ってしまったら、これまでの我慢が無駄になるのではないか?」

「でもこのままだと、仕事も何もできないし・・・。」

こんな心の葛藤を抱えるのは、決してあなた一人ではありません。

注意点

一気に止めるのはおすすめしない
→一気に止めてしまうと、副腎から全くコルチゾールが出てない状態になるので、徐々に減らして、体に慣れさせるのが大事です。

脱ステするだけではアトピーは治りにくい
→栄養不足があったり、内臓機能が落ちていたり、そのほかいろいろな要因で、ずっと体の状態が悪いままの人がいます。そんなのが3年も5年も続いて、やっと当院へお越しになる方は、珍しい事ではありません。体の機能を上げていく必要があります。

信頼できる人、頼れる人と一緒に行う
→こころが折れます。もう、首の皮一枚、蜘蛛の糸一本くらいの状態でやっと持ちこたえているような、ほんとにギリギリの状態です。

誰かと一緒に伴走してもらうのが良いと思います。

ここは結構重要だと思います。

「いや、私は自力でやる!」という方もいますが、自分でネットを中心に情報を集めたとしても、いざ自分にリバウンド症状が降りかかると、相当揺らぎます。知識だけではどうしようもない孤独と不安が襲い掛かります。ちょっと脅しすぎじゃない?と思うかもしれません。本当によく勉強して来られる方も一定数いらっしゃって、こちらが言うことは何もないくらい。そんな豊富な知識を持っている方でも、「つらい」と言葉を吐露するのが現状です。

そんな時に支えとなる存在がいるかいないかは、とても大きな助けとなります。

滲出液が止まらないと、「眠れない」という症状もセットになります。

何日も眠れないと、「また今日も眠れなかった」という不満感も募り、それでまた精神が苦しくなります。

こうなると、家族のちょっとした一言にもイライラし、八つ当たりするようになります。

「あれ?いつもより皮膚がはがれてるね」

「大丈夫?辛そうだよね」

「少しだけでもご飯食べたら?」

こんな一言でさえ「そんなことわかってるよ!いちいち言わないでよ」

となります。

 

いつまでも眠れず、しかも浸出液、炎症が広がる一方。

何が悪いのか?

どうしたらよくなるのか?

あの手この手をネットで検索。

結果、たいした情報も得られず目が疲れ、首が疲れ、気力がなくなり、気分が落ち込む。

一度広がり始めた炎症というのは、しばらくは広がっていく傾向にあります。

なので、「一刻も早く眠れるようになりたい」という方にはお薬を使うことをすすめることがあります。

わざわざ鍼灸院へ来るくらいなので「なるべく薬は使いたくない。というか絶対使いたくない」という方も多いです。

ですが、私の方で「これはこのままでは心がもたないな」と思ったら、一度ご本人の希望を確認しつつも「今を楽に過ごす」という視点の大切さをお伝えします。つまり病院の受診をすすめます。

本当にきつい時くらいは強引にでも炎症を抑えてしまったほうが良い場合があります。

炎症が落ち着いた後で、薬が要らなくなるような体の状態に持っていけばいいだけなので、「今まで薬を使わずにがんばってきたのに、今更使うなんて、すべてが水の泡になってしまう」と心配の方も多いのですが、決してそんなことはないと思っています。

「薬を使わないこと」が根本的な対処ではなく、「薬を使わないで良くなるように、体と生活を整えていくこと」を目標としつつも、「今を楽に過ごすことが一番大事」ということも念頭に置いて経過していくことが大事かなというのが今の私の考えです。

「薬を使おうかどうか迷っている」という方の参考になれば良いなと思います。

ではまた。