10月に入って、やっと夏が終わった感じですね。
今年は、5月頃から既に気温が高く、このころからクーラーをつけ始めた方も多かったでしょう。
もう日本の夏は、クーラーなしでは生きていけないようになってきました。
70代後半の患者さんが、「ここに来るのが命がけです」と冗談をおっしゃっていたのですが、内心ドキッとしました。
どうか、心臓に悪い冗談はおやめくださいm(__)m
それはさておき、「クーラー」
これは本当に厄介なものなんだなと、この夏は改めて痛感しました。
8月、9月は特にクーラーによる体調の悪化が本当に多かったです。
体を触ると皆冷えている。
首、肩、背中、腰、手首、膝、ふくらはぎ。
ありとあらゆるところが冷えていた。
皮膚が本当に弱くなっていて、適度な弾力が皆無。
どんな状態かというと、腐ったミカンを指で押す感覚です。
「あぁ、こりゃヤバイ。冷えによるダメージがでかい・・・」
患者さんの体を触ってみる。ものすごい冷えている。この暑い夏なのに。
私「かなり冷えてますよ。これは冷房によるダメージが大きいです」
患「えー!そうなんですか?全然冷えなんて感じないです。むしろ暑くて暑くて・・・」
本人にわかるように、触り比べて感覚を確かめる。
私「ほら、こことここ。僕の手がかなり温かく感じられませんか?」
患「ほんとだ、全然違う」
私「こういう局所の冷えがあると、それで症状を悪化させたり、回復を遅らせてしまうんですよ」
なんてやりとりを何回したことか。
10月に入った今は涼しくなって冷房を使う頻度が減り、皆さん大分冷えも取れてきました。
おかしい現象ですよね。
暑い夏に冷えていて、涼しくなった秋に、温まってくる。
もちろん、秋冬特有の手足の寒さみたいなのはあるのですが、冷房によるものとは明らかに違います。
「あれから家の中では長ズボン履くようにしたら、だいぶ回復しました!」
「長袖着るようになって、良い感じです」
そういった声を何度もいただきました。
冷房によるダメージってホントにでかいんだなと痛感した夏でした。
皆さんも、クーラーをつけたときは、自分の皮膚温がどうなっているのか、ぜひきちんと確かめておいてください。
こんな程度の冷えが、大きく健康にかかわります。
特別な治療法とか、食養生とか、それらもとても大事ですが、早く寝る、冷やさない、そういった当たり前のことを当たり前に行うことの方が先です。
「ちょっと寒いけど、でもまあこのまま何も着ないでもいっか」
「ちょっと眠いけど、まだ寝ないでもいいか」
こういった、些細な体の声を逃さないこと。
とても大切なことです。
誰でもできる簡単なことの方が大いなる価値があります。
皆さんもぜひ、些細な体の声を逃さないようにしてみてください。
ではまた。