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身体に聴く

からだは知っている。

からだに聴く。

アトピー体質を改善させるためにはどうすればいいか?

 

アトピー体質改善・・・

どうすればいいと思いますか?

今、あなたの頭に何が浮かびました?

 

「ステロイドを塗ってアトピー体質治します!」

 

さすがにこんな人はここにはたどり着かないと思います(笑)

 

「ステロイドで治らないから、こんなところまで彷徨って来ているのよ」

っていうのが本心かと思います。

 

さあ、アトピー体質改善に、あなたならどんな取り組みをしてみましょうか。もちろん、お薬以外で。

 

やはりまず思い浮かぶのが、食事療法でしょう。

「〇〇はアトピーに良い。だから〇〇を毎日摂取しよう!」

「〇〇はアトピーに悪い。だから〇〇を制限しよう!」

やはり、体内に何を入れるかというのは大切な問題です。

何が足りない、何が過剰だ、このような分析というか、各論的なことももちろん大切です。

しかし、そういうことの前に、もう一つ大切なことがあります。

・・・

なんでしょう?

それが、冒頭に申し上げた、「身体に聴く」ということ。

アトピーの人は、自分の体に鈍感!

毎日、アトピーの人を見ていて共通することは、「からだについて鈍感である」ということです。

・・・

「そんなわけない!私は敏感な方だ!」

・・・

このように「鈍感」という言葉に敏感に反応する人もいます。

その方の主張はこうです。

「だって、お風呂入ったらすぐにかゆくなるし、季節の変わり目は必ず乾燥してかゆみが出るし、ストレスを感じたら途端に顔が熱くなって、かゆみが出てくるのがわかるから。だから私は鈍感じゃないわ」

・・・

ハイ、その通りです。

これはですね、敏感なのは「からだ」に対してではなくて「症状」に対してなのです。

「症状」に対しては、それはもう過敏なくらいに敏感な方が多いです。

・・・

「先生、こっちは良くなったんだけど、今度はこっちの皮膚がはがれてきました」

「こないだまでここは赤くなかったのに、なんだか少し盛り上がってきた感じで気になるんです」

・・・

皆さん、皮膚の変化にはとても注意深く目を向けて観察されています。

でも、意識が向いているのは、ほんとにこの皮膚一枚の部分だけなのです。

 

アトピー症状が皮膚に出てきてしまうような体の状態って、どんな状態なんだろう?

ここに意識を向けてほしいのです。

 

普通の人は風呂に入って皮膚がかゆくなることはない。

ストレスがあったってかゆみが出るわけじゃない。

季節の変わり目にかゆくなることもない。

 

風呂に入らなければかゆみは出ないんだけど、風呂に入るとかゆみが出る。

この場合、確かにかゆみが出る原因はお風呂にあります。

だから、対策としては「お風呂に入らなければかゆみは出ない」というアドバイスになります。

でも、これは一時しのぎ。一生風呂に入らないわけにはいかないですよね。

 

だから、「風呂に入ってもかゆくならない体」の状態にする必要がある。

「風呂に入らなければかゆくない」

というのはいいかえれば

「風呂に入ってしまうとかゆみが出てくるようなギリギリの状態」の体であるということ。

 

そんなギリギリの状態の体であるにもかかわらず、アトピーの方は、「このかゆみさえなければ何の不調もないのに…」なんておっしゃいます。

わたしなんかが体を見ると、「こんなにひどかったらそりゃ、何かしらの慢性症状は出て当たり前だよな」

というかんじです。

むしろ、「この身体でよくこの程度の皮膚症状で収まっているな」なんて思ったりもします。

アトピー症状が出るというのは、そうさせるだけの体の状態が先行して存在しています。

だから、アトピー体質から抜け出すためには、そういう体の状態から抜け出す必要があります。

そのためにはそういう体の状態であるという認識を得ることが大事です。

つまり、「症状」ではなく、自分の「からだ」を観察するということです。

では、体のどこを観察しましょうか?

 

骨盤のゆがみですか?

肩の高さですか?

背中のねじれですか?

 

こんなの自分じゃ観察できませんね。

観察するのは一つで十分です。

それが「呼吸」です。

自分の呼吸がどうなっているのか?

この一点だけを観察していればオッケーです。

よく「呼吸」というと、「深く吸う」とか「鼻から吸って口から吐く」とか、方法・やり方を意識しがちですが、そういうことではなくてもっと簡単なことを意識します。

それは、「息を止めない」ということです。

実は、日常で息が止まっていることってかなり多いんです。

歯を磨いているとき

口をゆすいでいるとき

顔を洗うとき

腰をかがめた時

靴下をはこうとしたとき

うんこをしているとき

スマホを見ているとき

・・・

もう、挙げればきりがありません。

こういった日常の動作一つ一つに対して、ひどい人はその都度息を止めてしまっています。

まずはこの、息止まる癖をなくすところから始めてみましょう。

 

息が止まっているかいないかを意識して生活すると、いろんなことに気が付いていきます。

「こんなに息が止まっていたなんて知らなかった」

こうおっしゃる方は意外と多いです。

まずは自分の呼吸に敏感になること。

こうやって自分の体に対する意識を高めていきます。

体が鈍感すぎるから何かしらの不快症状があらわれてしまうのです。

あなたの場合はそれが、アトピー性皮膚炎として表れてしまっているのです。

でも体の方は、症状が出るよりもずっと前に、たくさんの信号を発しているのです。

それがいわゆる「コリ」「重い」「だるい」だったりするのです。

アトピーの人は強烈な肩こりがあってもそれをコリがあるとか肩が重いとかそういう自覚が全くありません。

普段から自分の体に対するセンサーが働いていないのです。

こういうセンサーを育てるためにまず、息が止まっていないかどうかの確認をするところから始めることが大事なのです。

そうすると、息が止まっていることを気づいた段階で、不調の芽がそこで一つ摘み取れることになります。

アトピーを一気に治したい気持ちはわかりますが、こうやって小さな芽を大きくさせない、少しずつ摘み取っていくことを続けていると、「あれ?そういえば最近掻き傷が減ったな」なんてことに気づけたりします。

こういうことを「養生(ようじょう)」と呼ぶのです。

養生の考え方がないと、いつまでたってもステロイドが手放せなくなります。

ぜひあなたも養生法を身に着けてください。

地味ですが、息を変えるということは生き方を変えることにつながります。

生き方が変わるくらいなら、アトピーだって変わらないわけないでしょう。

息を変えることは今からできます。

まずは、息が止まらない工夫からはじめましょう。