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アトピー性皮膚炎と肩のツボの関係

アトピー改善に大切なツボー肩髃(けんぐう)-

一口に「アトピー」といっても、それぞれの体の状態は様々な様相を呈します。

「頭がかゆい」といっても、頭がかゆい原因が頭の状態が悪いことによるものかはわかりません。

「腕がかゆい」といっても、腕がかゆい原因が腕の状態が悪いことによるものかもわからないのです。

「ある部位」が悪いから、「ある部位」がかゆいのだという図式はあまり成り立ちません。

皮膚症状が出ているその場所が、そのまま悪いところというわけにはいかないのです。

ただ、こうは言えます。

「ある部位に緊張があると、皮膚病が治りにくい」

つまり、あなたにもし治りにくい皮膚病があって、たとえば「膝裏のジュクジュクがなかなか治らない」なんていうときに、膝裏とは関係ないけど、そのある部位の状態を観察してみると、「やっぱりここに、非常に強い筋肉のコリがあった」なんてことはよくあるのです。

アトピーを治りにくくしているそのある部位とはいったいどこか?

今日はそんなある部位の一つであるツボをご紹介しようと思います。

それが、肩髃(けんぐう)というツボです。

 

肩の端っこにあるツボです。

ここは昔から湿疹、蕁麻疹、痒疹といった皮膚病の有名なツボとして知られています。

しかし私はこのツボ、しばらくはあまり見向きもしませんでした。

アトピーを専門的に見ているのに、全くのノーマークだったのです。

というのも、今までいろんな勉強をしてきていますが、ここのツボを使っている人というのは見たことないのです。

そういうこともあり、縁が遠かったこのツボですが、最近は絶対に観察しています。

もしかしたら、今まで治らなかった膝裏のアトピーが、この方のツボの状態を回復させることで、改善する可能性があります。

アトピーが治りにくい人は肩髃のツボの状態がよくない

いろんなアトピーの方を見てきて、治りやすい方と、治りにくい方と様々な経過をたどりますが、なかなか良性の変化が起きない人の、このツボの状態は、本当に悪いです。

いまさらながらですが、このツボと皮膚病を結び付けた昔の人の観察力に驚くばかりです。

特にこのツボの状態が良くない人は、やせ形で強い肩こりがあるのに、それをあまり自覚しておらず、「かなり凝っていますね」とお話ししても、「全然肩こりを感じない」というタイプです。

それでいてアトピー症状はひどく、首回りや胸、鎖骨あたりのかゆみが全然収まらない。鼻詰まりや頭痛も頻繁に起こり、ステロイドもなかなか効かない。

こんな症状を子供のころから抱えているなんて言う方が多いです。

こういう方は、肩こりを感じる感度も低下していて、症状回復もかなり遅いです。

鍼に対する身体の変化の度合いも、他の方に施術するよりは、手ごたえが少ない。

こういった施術直後の変化の度合いを見て、「変化が出始めるまでの辛抱の時間が少し長いかもしれません」とお伝えすることもあります。

なるべく最初の段階で「かゆみが楽になった!」という変化を感じてもらいたいのですが、すべての人にそういう変化を起こさせることは至難です。

ならば、今までの経験と照らし合わせて、嘘をつかず正直な感想をお伝えするということが、患者さんの利益につながると考えています。

その結果、「時間がかかるならやめとこうか」となっても仕方のないことだと考えています。

肩のツボが硬くなってしまう理由

ま、それはともかくこの、肩髃というツボ。

なぜこの部位がそんなに硬くなってしまうのでしょうか。

その原因の一つが、いかり肩です。

肩が上がってしまうということですね。

なぜ肩が上がるのか?

どんな理由があると思いますか?

いろいろあると思います。思いつくまま挙げてみましょう。

・寒い
・緊張する
・無意識・クセ
・重いものをよく持つ
・パソコン作業が多い
・細かい作業が多い

大体こんなとこでしょうか。確かにこれら全部が当てはまります。

他にも要因があります。

・何をするにも基本的に「早くやらなくちゃ」と考えている人。
・何をするにも基本的に「きっちりやらなくちゃ」と考えている人。
・何をするにも基本的に「うまくやらなくちゃ」と考えている人。

きっちり、正確に、早く、上手くという思いが強くなると、肩がいかってきます。

肩のツボが悪くなるとアトピーが治りにくくなる理由

肩がいかると呼吸が浅くなります。

呼吸が浅くなると酸素の出入りが少なくなるので血中に栄養が届きにくくなったり、酸欠気味になります。

そうすると皮膚に栄養がいきわたらなくなり、アトピーの治りが悪くなります。

また、呼吸が浅くなることで起きる影響は、酸欠気味になるだけでなく、横隔膜の動きも悪くします。

横隔膜の動きが悪くなると、同時に肝臓の機能にも影響を及ぼします。

肝臓はデトックス臓器ですから、アトピー改善のためにはしっかり元気にしておきたい臓器です。

そういう意味でも呼吸の状態は良くしておきたいところです。

「正解」を選ぶことも大切だけど、「納得」する方を選ぶことも大切

アトピー性皮膚炎に対してステロイドだけで治るのならばそれは幸せなことです。

しかし現実は、ステロイドがだんだん効かなくなってきてどうしようもなくなってしまう人もいるし、

そもそも薬を使わずにどうにかしたいという人もいます。

脱ステをしたけど、一向に改善せず、どうにか打開したいという人もいます。

アトピーに対して、ステロイドという武器だけではどうもうまくいかないことが多いのが現実です。

そんな時にこういった、ツボからアトピーを見るという視点があると、それはアトピーに対して大きな武器となりえます。

アトピーを治す手段は一つではありません。

正解は一つではないのです。

そして、正解かどうかを気にする必要もないんです。

私もアトピーについていろんな意見を目にしますが、

「絶対にステロイドを使わないといけない」とか「ステロイドは絶対に使わない」とか、両極端の意見がゴリゴリにゴリ押しされています。

正しさとか正義を押し付ける人は、その人本人のための言動ではありません。

自分の意見を通すために言っているにすぎません。

「あなたのために言ってるのよ」

これほど呪文くさい言葉はありません。

呪われる前に退散しましょう。

アトピーで大切なのは「消耗」しないこと

こういう言葉に言われて引っかかっているのなら、そんな言葉は無視しても大丈夫です。

自分で、考え行動しましょう。

あくまで自分で考え、自分で感じ、納得したものを自分で選ぶという行為・過程が大切だと考えています。

いろんな意見、いろんな視点がありますので、そのうちの一つにツボという見方があるよということを覚えておくとよいのではないでしょうか。

「正しさ」に縛られて消耗する方を多く見ています。

アトピーで大切なのは消耗しないことです。

消耗せずに体力を温存して、余った体力を皮膚修復のエネルギーとして活用しましょう。