アトピーと向き合う上で切り離せない問題が、「ステロイド」ですね。
よく聞かれます。
「ステロイドはどうすればいいですか?」と。
私の現在の考え方としては、「ステロイドはやめるべき」です。つまり、脱ステ派です。
というより、「薬を使わずに、又は使ったとしても最小限に、あるいは将来的にどんどん使用頻度を減らしていけるようにしたい」「脱ステをしたい」という方を応援したいのです。それが鍼灸師としての私の役割だと思っています。
ちなみに、
脱ステ
脱保湿
脱入浴
脱化粧
が、今現在、皆さんにおすすめしている4つの改善ポイントです。「え?風呂に入らないって?化粧しちゃダメだって?そんなの無理!!」って声が聞こえてきそうです(笑)
「ステロイド使って治るならそれでも良くない?」という人は、うちに来る必要はないですし、そもそも医者じゃないからステロイド処方できませんし、「ステロイドを使って治すのがベスト」と考えている先生の所へ行けばいいだけです。
「ステロイド使用派」と「脱ステ派」を比較して「どっちが正しいか」と考えてしまうと迷いが出るかもしれません。
ステロイド使用で良くなった人もいるし脱ステで良くなった人もいる。ステロイドで良くならない人もいるし、脱ステで良くならない人もいる。
どっちを選んでも良くなるし、どっちを選んでも良くならない。つまり、人のカラダはそれだけ幅があり、ゆとりがあるのです。
だから、正解か不正解か?という視点だけでなく「どれを採用したい?」「どんな将来を望む?」というのを決め手にしてもいいのかもしれませんね。算数じゃないから答えは一つじゃないです。
「私は薬を使わない生活を手に入れたい」そう思うのであれば、その後の行動も決まりますね。
ステロイドを使い続けることは、「治す」というより、問題を先送りにしているにすぎません。それが私の意見です。
まあ、良くなっている人はウチに来ないし、良くならずに、むしろどんどんステロイドが効かなくなってきてどうしようもなくなって、当院に訪れる方がほとんどなので、だから「治す薬ではない」と、そう考えるのかもしれませんけどね。
ともかく。
完治を目指すなら、手放す方向で考えていくべきという立場でお手伝いしていきます。
あとはこれをどういうタイミングで、どんな経過で行っていくかという事ですね。
1つは、徐々に離脱する。
もう一つは一気に脱ステ。
その後、リバウンドがきつくなり、心と体に余裕がなくなってきたところで、また選択を迫られます。
1つは、そのまま耐える。
もう一つは、一時的にステロイドを塗り、しんどい状態から回避する。
この中で一番経過が早いのは、一気に脱ステして、リバウンドが来てもそのまま耐えるというコースです。
ただ、かなりしんどいです。体力的にもきついですし、見た目にも赤味が増したり、ジュクジュクがひどく浸出液が止まらなくなることもありますので精神的にも大変です。
「かなりひどくなることもありますよ」とお伝えしていますが、それでも「こんなにひどいとは思わなかった」とか「浸出液が止まらないんですけど、大丈夫でしょうか」と聞かれます。
当然ですね。「こんなひどいのがずっと続いたら」と思うと不安は計り知れないものだと思います。
でも、リバウンドというのは、体本来の働きが始まっただけなので、今までそれをステロイドで無理やり抑えていたからそういう吹き出し現象が出ているにすぎません。
リバウンドは「悪化」ではなく「正常な体の働きの現れである」という事は理解していただきたいです。
「辛い状態」であることは間違いありませんが、「悪い状態」ではなく、「良くなる方へ向かっている状態」であるという認識をしていただきたいです。
人は考え方でいくらでも変わります。つらい状態が変わらないなら、少しでもマシな方に考えた方がいいのです。
少し脱線しました。話を戻して今度は、脱ステの期間についてです。
脱ステの一般的リバウンド期間は個人差がかなりあって、数日から数年と言われています。
脱ステをしてから初診でいらっしゃる患者さんに期間などを聞きますが、やはりバラバラです。年単位で苦しんで、やっとピークを抜け出したという方もいらっしゃいます。
一陽で鍼灸開始と同時に、一気に脱ステしてそのまま耐える、を選択した方のリバウンド期間は2週間~2ヶ月位が多い印象です。
すぐにリバウンドが出る方もいるし、数回施術してから出てくる方もいらっしゃいます。もちろんリバウンドが出ない人もいます。
リバウンドが激しい時は鍼灸の効果も「1回の施術で劇的に効いた」という印象は薄いです。
ただ、リバウンドが年単位もかからないので、鍼灸を併用するとリバウンド期間は大幅に短くなるということ確かです。この期間をいかに間を開けずに施術できるかが大きなカギです。
これは、治療効果を積み重ねるという意味もありますが、あまり間が空くと、リバウンドのつらさに負けて「大丈夫だろうか」とか「このまま治らないのではないだろうか」という不安が大きくなってあきらめてしまうことがあるので、鍼灸を受けてホッとしてもらいたい、「まあ、がんばってみるか」と思ってほしいという意味も大きいです。
不安になってもいいので、とにかくあきらめないでもらいたいです。一気に脱ステしてそのまま耐えられなくて、また使い始める選択をしたとしても、治ることをあきらめずに、徐々に減らしていくという考え方にシフトしていけば大丈夫です。
大事なのは、ここで「ダメだった」と落ち込まないことです。
凹まない。
折れない。
淡々と暮らす。
そうすれば状態は上向きになります。どんなにリバウンドが激しくても、浸出液がダラダラ出ても、それは落ち着いてきます。正しい施術と正しい養生を続けることが大切です。
アトピーは孤独との戦いでもあります。
こっちで「〇〇がいい」という情報があると思ったら、こっちでは「〇〇は良くない」と言っていたりして、「どっち?」というようなことが多いのです。
この「脱ステ」にしてもそうです。私みたいに「脱ステすべき」という人間もいるし、「正しくステロイドを使えば良くなる」という人もいます。
体が弱ってるときに、しかも医学的素人の自分が、どっちを選択したらいいかなんてわからず不安になるのも無理からぬことです。
私もなるべく情報を開示するように、考え方をお伝えできるように心がけています。そして、あなたがこの情報を採用するに値すると決めたなら、その孤独を少しでも軽くできるように、お手伝いしたいと思っています。とにかくいろんな意見、いろんな情報が存在しますので、なるべくいろんな意見を吟味して、納得のいく答えを自分で採用してください。「根こそぎ良くしたい」「治しきりたい」という方なら、一陽が応援します。
編集後記
女子に「風呂に入るな」「化粧するな」「化粧水塗るな」と言ったときの、わたしに向けられる敵対的視線・・・嗚呼。
でも、言うべきことは言いますわよっ。
ー記事の要約ー
脱ステ脱保湿脱入浴脱化粧、そしてサッサと脱アトピー!